デリケートエリアのかゆみ・かぶれは、人に相談しづらいもの。
ここでは、産婦人科医として、幅広い年代の女性の診療を行っている八田 真理子先生に、なぜかゆみが起こるのか?かゆい時の対処法について、お話を伺ってきました。
産婦人科医。1990年聖マリアンナ医科大学卒業。
順天堂大学、千葉大学、松戸市立病院産婦人科勤務を経て、1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック
「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。
女性の幸せを願い、サポートするクリニックとして、思春期から更年期までの幅広い女性の診療を行っている。
日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医。
日本マタニティフィットネス協会認定インストラクター。
著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』(アスコム)など
かわいい下着やセクシーなランジェリーを身につけたくなる方も多いでしょう。でも、こういった下着は見た目を重視した作りのため、肌にダメージを与えてしまう素材であったり、通気性が悪いこともあります。また、スタイルを良く見せるための補正下着など、締め付けが強いファンデーションを着用する方もいますね。実は、これらが下着かぶれの主な原因であり、「通気性」「素材」「締め付けの強さ」が、下着かぶれのカギを握っていると考えられます。
他にも、すすぎが不十分で洗剤が付着した下着でかぶれたり、皮膚と下着との摩擦(VIO脱毛をしている方含む)、夏場のストッキングのムレ、長時間のパンティーライナーの使用、などが挙げられます。
更年期を過ぎると、女性ホルモンの低下により、デリケートエリアが痩せて乾燥してくるため、かゆみを感じることもあります。
まずは、肌に優しい素材の下着や、締め付けのない下着に替えてみましょう。汗をかいたらこまめに拭いたり、下着を替えるようにし、デリケートエリアを清潔に保ち、通気性を良くしましょう。下着の形状が締め付けに影響している場合もあるので、心地よくフィット感のある下着を選ぶことも大切です。Tバックやビキニタイプでかぶれてしまった方は、ボクサーやスタンダードタイプにすると症状がやわらぐ場合もあります。
かぶれやかゆみなど不快感がつらいときは、デリケートエリア専用のかゆみ止めを使ってもいいでしょう。
※長期間の使用は、皮膚が敏感になる場合があるので控えましょう。
まずは、かぶれやかゆみが起こる原因を減らしましょう。主な原因と考えられる「通気性」、「素材」、「締め付けの強さ」から考えて、あなたに合った対策を考えてみましょう。
他にも、汗やおりもので湿った状態を長引かせないこともポイントです。
最近では、柔軟剤によるかぶれやかゆみを起こすケースもあるので、洗濯のすすぎは十分に行いましょう。
かわいい下着やセクシーなランジェリーを身につけるのも良いのですが、デリケートエリアの状態が気になる場合、日常的な使用や長時間着用する下着は、見た目だけではなく、機能性や履き心地の良さも重視しましょう。特にデリケートエリアに触れる部分は、自分の肌に合う素材であることが大切です。
例えば、レース素材が好みなら、パンティ全体はレースで、クロッチ部分はコットンなどの天然素材が使われているものを選んだり、ぴったりフィットするタイプが好みなら、縫い目のない機能重視の下着などを選ぶといいでしょう。
セクシーなランジェリーはクロッチ部分が狭いタイプもありますが、デリケートエリア全体を覆うタイプのものの方がトラブルは起きにくいでしょう。
また、ムレの原因の多くは、下着+ガードルなどの補正下着+パンティストッキングなどの重ね履きが考えられます。着用する際は、ガードル機能のある下着や、サスペンダータイプのストッキングなどに替えてみることで、重ね履きのムレを軽減できるかもしれません。
上記のような場合であれば、デリケートエリア専用のかゆみ止めを利用しても問題ありません。
※デリケートエリアの皮膚は他の部位と比べてとても薄いため、かゆみ止めを長期間使用し続けると皮膚が敏感になることがありますので気を付けましょう。
陰部周辺にしつこいかゆみを感じる、おりものの様子がいつもと違う、というときは要注意。おりものの変化は、腟内の異変に直結しています。
このように、「おりものの様子が普段とは明らかに違う」と感じるときは、腟内の自浄作用が低下して雑菌が侵入し、腟カンジダ症や腟トリコモナス症、クラミジアや淋菌などの感染症を起こしている可能性があります。
つまり、普段からおりものに注意をはらうことが、腟の健康チェックにつながるということ。日ごろから、おりものの状態をしっかりチェックしておくことをおすすめします。
デリケートな部分の
かゆみ・かぶれに